突然の警察からのTEL
「もしもし
警察ですが〇〇さんの息子さんですか?」

「間違いありません。
詐欺ではありません…」
迂闊だった…
こうなることは
当然予想できたことなのに。
全く想定していなかった…
めちゃくちゃ恥ずかしかった。
めちゃくちゃ情けなくなった。
「それでは
こちらから銀行に話しておきますので
息子さんは身分証明書を持って
お父様とご一緒に銀行に行ってください」
すぐに実家に向かい
一緒に銀行に向かった。
父の荒い鼻息が聞こえてくる。
よっぽど怒り、興奮したのだろう。
「なんで自分の金を
引き出せないんだよ!!」
そう激高している
父の姿を想像してしまった。
親父、すまん…
心の中でしか
謝ることができないダメ息子。
【僕】その時の状況
すでに退職
実家に近くに引っ越し
貯金を切り崩して生活
失業保険申請中
※2023年4月時点
リフォーム工事は今から依頼しても
1年くらいで完了するだろうと思っていた。
なんという甘い計画。
そのくらいの期間であれば
今まで蓄えで何とかなると考えた。
もちろん
もう少しお金があれば
精神的にも余裕ができるなあ
そんな想いもあった。
この頃は
夕食時に実家に行くのが日課に
なっていた。
やがて昼と晩
2回に増えることになるのだが…
父を舐めていた…
なんで、こんなことになったのか?
警察から電話から来た日から
半月前の出来事。


認知機能が落ちているから
毎日、実家に行っても問題ないと
思っていた。
でも
普通に考えれば
毎日なぜ息子が来られるだろうか?
仕事をしていないのではないか??
そう不安になるのは当然だろう。
予想外の父の問いかけに
どきまぎしながら
「ちょ、貯金があるから大丈夫だよ」

父は声を荒げた。
「リフォームが完了するまで
無職だから
まあ、100万くらい
もらえると助かるけど…」
その僕の言葉を受けての
父の行動であった。
親心…なのか
まだ、それが残っているのか?
やはり
父にとっては僕は子供なのだ。
こっちが父の面倒を見ている
そんな自惚れがあった…
永遠に
親は子の心配をするものなのかな?
銀行のガードは固い
「息子が100万必要と言っている
お金をおろしたい!」
そんなこと言ったら
100%詐欺を疑うの当然だろう。
相談ブースに案内され
支店長が対応してくれた。

「このくらい警戒してくれたほうが
こちらとしても安心ですよ」
そう言いつつも
恥ずかしくて、たまらなかった。
僕のこと
親の援助で生活している
ドラ息子だと思っているんだろうな…
一刻も早く、この場から逃げたかった。
詐欺犯でもないのに…
建て替え費用を銀行から引き出す
大事な書類
これで一件落着。
これから
実家にリフォーム
のちに建て替えに変更になるが
まとまったお金を動かす必要がある。
もちろん父のお金。
情けない…
何度も金融機関に足を運ぶことになる。
本当に苦労した…
父、銀行印、通帳
そして僕の付き添い
それでも
銀行は簡単にお金を動かしてくれない。
もう一つ大事な書類がある
それが

請求書
本当にそのお金が必要なのか
証明する必要があるのだ。
僕が利用した全ての銀行で
請求書の提示を求められた。
金融機関のガードは
このように固いのに
それでも
特殊詐欺は減らないんだなあ…
父の納得に、僕は納得できなかった…

そう言葉を発した父であったが
「保険証持っているのか?」
「持っているよ!」
「なら、いいや」
父はそう言うと
なぜか安心した様子になり
その後
僕の経済状況を心配することは
二度となかった。
なぜ仕事がなくても
保険証があると安心なのか?
その理屈が全く分からなかった。
これも認知機能が
低下していたということなのかな?

